日本は自然災害が多い国です。
地震、津波、台風、集中豪雨、火山噴火、竜巻、地すべりなど大きな被害をもたらします。
東日本大震災のような大規模な災害が発生すると、復旧には大変な時間と労力がかかります。
自然災害の他にも火災や工場爆発、列車脱線、航空機墜落、群衆が集まる場所での事故などの人的災害もあります。
もし自然災害が起こったら避けようがありません。
しかし発生する災害を予測し、あらかじめ備えることはできます。
これをする、しないでは生存率を含め大きく変わってきます。
防災訓練を企画する機会
あなたが地域で町内会や自治会に属しており、防災訓練を企画実行することになったと仮定します。
あなたは中心となって進めていく立場になります。
どのように防災訓練を企画し、実行することができるでしょうか?
毎年9月1日は防災の日で多くの企業、病院、施設、学校、自治体で防災訓練が行われます。
防災の日はなぜ9月1日なのでしょうか?9万人以上が亡くなった関東大震災が1923年9月1日に起こったことから制定されました。
防災訓練というと、学校で行ったことがある、と覚えていらっしゃる方もいることでしょう。
私も学校の教室にいるときに非常ベルが鳴り、直ちに校庭に出るように指示されて、担任の先生に引率されてクラス全員が校庭にでて点呼しておしまい、というものだったことでしょう。(教頭先生の校庭での話もあったかもしれません)
私も含めて防災訓練に緊張感をもって臨んだわけではありませんし、クラスメート同士ぺちゃくちゃ話しをしたり悪ふざけをしたりして真面目に取り組んでいなかったのは確かでした。
町内会や自治体の防災訓練にしても参加者の参加意識が低く、防災訓練が緊張感のないマンネリ化したものになってはよくありません。
自然災害はわたしたちを待ってくれないのです。
防災訓練の内容はリアリティのあるものにしよう
防災訓練がマンネリ化してしまう原因として、参加者がすでにあらかじめ定められたシナリオを知っている、ということがあります。
より実践的な訓練にするには参加者に細かいシナリオを伝えず、実際の災害の想定外の事態にどのように対応してもらうかということが大切になります。
もちろん、防災訓練を企画する側はしっかりとした訓練目標、シナリオを作っておくことが大切です。
まずは5W1Hを基本として企画します。
- Why(なぜ)訓練の目的
- When(いつ)日時、時間帯
- Where(どこ)どこで行うか、建物の中、特定の階、建物の外など
- Who(だれ)参加者
- What(なに) 何をするのか(消火訓練、避難誘導訓練など)
- How(どのように)どのくらいの規模の訓練か?
例として次のようなものを含めることができるでしょう。
- 避難誘導訓練
- 初期消火訓練(水消火器かバケツリレーを実施する)
- 一般救命講習、AED使用訓練
その他にも次のような内容を含めることもできます。
- 情報収集と伝達の訓練
- 緊急連絡網による連絡訓練:住民の電話番号、メールアドレス等に変更がないか確認する
- 要援助者支援訓練
- 炊き出し訓練
- 負傷者を運ぶ訓練
- 耐煙体験訓練
- 防災倉庫点検
- 防災講話
- 防災ゲーム、クイズの実施
- 映画上映
- シェイクアウト訓練:「DROP!(姿勢を低く)」「COVER!(頭を守る)」「HOLD ON!(その場で動かない)」の動作をみんなで一斉に一分ほど継続して行う
- 防災研修会
- 防災グッズづくり:ダンボールトイレや空き缶ランタンを作ってみる
上記のようにみんなで体験、体を動かすことによって防災訓練の内容をリアリティのあるものにできるでしょう。
防災訓練を実施する前に市区町村の役所に届けましょう。
アドバイスを貰うことができます。
消防署に連絡すれば訓練に必要な機材(水消火器)などを借りることができます。
また消防署職員に来てもらって指導をしてもらうこともできます。
意外と難しい?!防災訓練の前後の挨拶で含めたい言葉
防災訓練の前後の挨拶はどんなものにしたら良いでしょうか?
なかなか防災訓練自体年に何回も行うものではないため、意外と難しいと感じるかもしれませんね。
ネットで検索すると防災訓練の前後のうまい挨拶の方法(テンプレート)が見つかります。
いちばん大切なことは簡潔であること、そして要点を逃さず伝えることです。
奇をてらったり笑いを取る必要はありません。
防災訓練開始前の挨拶には
- 集まっていただいたことへの感謝
- 災害の怖さ、いつ来るのかわからない(地震が起こる確率などを数字で伝える)
- ことわざを使う(「天災は忘れたころにやってくる」「備えあれば憂いなし」など)
- 防災訓練の目的 – 災害時に的確な対応をし、被害を最小限にする
- 怪我のないように訓練しましょう。
といった内容を含められます。
防災訓練開始後の挨拶には
- ご協力、無事に終えたことに関して感謝する言葉
- 協力してくれた消防団の皆様への感謝の言葉
- 地震や災害が起きたときの心構えを簡潔に述べる(慌てず身の安全を確保すること)
- 閉会の言葉
あとに町内会長さんの話があるのであればなおのこと簡潔なものにします。
そうでないと参会者は疲れてしまいます。
防災訓練はいつ来るかわからない災害に対処するために欠かせないものです。
この記事が防災訓練の企画、実行の一助になれば幸いです。