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脱水症状が起きたときの看護の方法は?3つのポイントを解説します!

脱水症状が起きたときの看護の方法は?3つのポイントを解説します!

毎年猛暑に見舞われる日本列島。

熱中症脱水症状には十分気をつけたいものです。

このブログでは脱水症状に焦点を当てて、

特に、高齢者を介護する方々にとって役立つ

看護の方法をご紹介します。

 

脱水症状とは、どんな状態のこと?

脱水症状とは、体の水分が失われることで起こる状態です。

 

体に含まれる水分は、子どもは70-80%、大人は60%、

高齢者は50%程度です。

 

体に含まれる水分は「体液」といいますが、

血液やリンパ液、唾液、粘液、消化液など様々です。

 

体液が失われると、血液の量が減って血圧が低下します。

そのため体への栄養素が取り込まれなくなったり、

老廃物を体外に排出できなくなるため

生命維持に障害が生じることになります。

 

筋肉や骨からは電解質が失われると、

脚がつったり、しびれの原因になります。

 

体重の4%程度までの軽度の脱水なら水を飲むことで

回復することができます。

ただ、一度に大量の水を飲んでも吸収されないので

こまめに水分補給することが大切です。

 

また、体液に近い電解質を含んだ水のほうが

速やかに体内に吸収されます。

水の分量の0.9%の塩を含んだ水がお勧めです。

スポーツドリンクや経口補水液(ORS)がよいでしょう。

 

頭痛や脱力感、眠気を起こしている場合はどうでしょうか?

この場合、脱水症状がかなり進んでいますので経口の水分補給より

医療機関で水分の点滴を受けたほうが効果的です。

 

脱水症状の高齢者を見分ける正しい方法とは?

脱水症状は年齢を問わずかかってしまう可能性のある症状です。

しかし高齢者の場合は脱水症になりやすいので

より注意が必要になります。

 

なぜなら、高齢者は体内の水分量が減っており、

内蔵、特に腎臓の機能が低下する場合が多いため、

脱水症状を起こしやすくなります。

 

さらに感覚機能「口渇中枢」の低下で喉の渇きを感じにくいことや、

糖尿病などの病気や頻尿、尿の排泄を促して体内の塩分を排出させる

降圧剤なども脱水症状の一因になります。

 

高齢者の場合、本人も周囲も気づかないまま脱水症状に陥る

場合があります。

そのことを「かくれ脱水」といいます。

 

では高齢者の脱水症状をどのように見分けられるでしょうか?

次のようなサインを見逃さないようにしましょう。

 

●皮膚や唇、口内の乾燥

皮膚や唇、口内の乾燥が見られる場合は、

脱水症の可能性があります。

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脇の下が乾いている場合、手足の先が冷たいといったことも、

乾燥のサインです。

 

●痰が絡んだ咳を繰り返している

体の水分が不足すると、痰が絡んだ咳が出やすくなりますので、

これも一つのサインです。

 

●皮膚のハンカチーフサイン

手の甲の皮膚をつまみ上げると、通常はすぐに元に戻りますが、

ハンカチをつまみ上げて離した状態のようにすぐに戻らない場合は

脱水症状になっている場合があります。

 

●ウトウトしている時間が長い

ぼーっとしていたり「傾眠傾向」というウトウトしている時間が

長い場合も要注意です。

 

●めまいやふらつき、頭痛、吐き気など

こういった症状が出ると、脱水症状も軽度ではなくて中度になります。

 

脱水症の高齢者を看護する3つのポイントとは?

では、高齢者が脱水症状になってしまった場合、

どのように看護できるでしょうか?

 

まずは先ほどご紹介した高齢者の脱水症状のサインを

見逃さないようにして、適切な処置を取りましょう。

 

1つ目のポイントは「軽度の場合」です。

脱水症状に対しては水分もさることながら、

体の調節機能に必要な電解質(ミネラル)を摂る必要があります。

それで水分とミネラルの両方が摂れる「経口補水液」がお勧めです。

「経口補水液」が入手できない場合は、

水1Lに対して、食塩を3g、砂糖を20-40gを溶かせばできます。

少量のレモン汁を入れると口当たりが良くなり飲みやすくなります。

 

2つ目のポイントは「中度の場合」です。

軽度の場合よりも多めに「経口補水液」を飲む必要があります。

 

3つ目のポイントは「重度の場合」です。

意識がもうろうとしている場合は、迷わず救急車を呼んで、

医療機関を受診しましょう。

 

まとめ

高齢者は脱水症状になりやすいことを十分自覚して、

周りのサポートが必要です。

 

高齢者は喉の渇きを感じにくかったり、

たくさん水分を飲むとトイレの回数が増えるから、

水分を取りたがらなかったりする傾向があります。

 

「こまめに水分補給しましょう」と言うだけでは不十分で、

コップ一杯の水を、時間を決めて飲む、というようなことが

勧められます。

 

食事以外で1L~1.5Lの水分補給が必要です。

好きな飲みものやフルーツやゼリーで水分補給をする方法もあります。

糖分や塩分の補給についてはかかりつけの医師に相談して、

調節することをお勧めします。

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