あの「保育園落ちた、日本死ね」のブログ投稿から
数年が経ちました。
深刻な待機児童問題に悩む
たくさんの働くお母さんたちの共感を得て
世間を大いに賑わせた投稿でしたが、
現在の保育の実情はどのようなものでしょうか?
またとかく安い、と指摘された保育士の給料は
どうなっているのでしょうか?
保育士の給料が安い理由とは?
保育士の給料の現状は、上がっている、でもまだ安い、
といったところです。
厚生労働省の調査に寄ると、
保育士の平均年収は2013年に約309.8万円だったものが、
2017年には約342.1万円、
5年で32.3万円(11%)アップしています。
2015年から2017年には国の施策もあり、
5%の給与アップとなっています。
小さな命を預かる責任ある仕事で、しかも激務。
保育士不足であるにもかかわらず、
まだ給与の面ではベースが低いと言わざるを得ません。
月給が全産業平均より約10万円低く、
これでは保育士がなかなか増えないのも
当然と言えます。
保育士は低賃金の代名詞になってしまっています。
でもなぜ保育士の給料は安いのでしょうか?
歴史的な背景があります。
かつて日本では父親が働き、母親は家にいて家事や保育を行う、
いわゆる専業主婦が主でした。
夫婦共働きであっても、
子どもは祖父母や親戚に預けることが一般的で、
他人に保育を依頼することが一般的ではありませんでした。
また保育士さん(保母さん、保父さん)は
子どもとただ遊んでいるだけの楽な仕事という
誤解もはびこってました。
さらに保育園の財源というところが低賃金の原因です。
保育園の運営費は国や都道府県からの補助金と、
保護者が支払う保育料で賄われています。
保育料には公定価格があり、高くすることができません。
保護者も高額な保育料を払えないのが現実です。
さらに補助金も運営できる最低ラインに設定されています。
ですから残念ながら個人が頑張れば給料が上がる、
というシステムにはなっていないのです・・
最近では企業やNPOなども業界に参入し、
保育園事業を営利目的で運営するところも増えてきました。
人件費を抑えて利潤を出す風潮が生まれ、
保育士の給料は抑えられてしまう傾向にもあります。
保育士の給料は上がるのか?
保育士の給料は上がる見込みはあるのでしょうか?
国の保育士労働環境改善の施策もあって、
保育士の平均年収はさきほど見たように毎年上がっています。
さらに2019年からも保育士の処遇改善が施行されます。
ただこれまでのように2%程度ということになると
月では6000円程度になります。
6000円って、ないよりあったほうがいい金額ではありますが、
やっぱりまだ少ないと言わざるを得ません。
保育士の仕事で収入アップを目指す3つの秘訣とは?
では保育士の仕事で収入アップするにはどうすればよいか、
ここで3つの秘訣をご紹介します!
① キャリアアップを目指す!
「保育士等キャリアアップ研修」を受けることで、
保育士になって経験年数3年以上で
「職務分野別リーダー」になることができ、
月額5,000円加算されます。
さらに経験年数7年以上で「副主任保育士」「専門リーダー」
になることができ、月額40,000円加算されます。
保育士等キャリアアップ研修は日本全国で有効です。
② 保育士転職サイトで求人を探す!
保育士の仕事を探すにはハローワークではなく、
保育士転職サイトがお勧めです。
ハローワークは掲載の基準が緩いため、
求人数は多いもののブラックな求人も紛れている
可能性があります。
その点、保育士転職サイトは求人の質が高く、
独自の非公開求人も持っており、
転職のノウハウの知識も豊富です。
その中で「保育ひろば」「マイナビ保育士」「保育士バンク」
はお勧めです。
③ 働く市区町村を調べよう!
多くの自治体は保育士に来てもらうために
さまざまな取り組みを行っています。
例えば東京都では4.4万円の給与の上乗せ、
複数の区で家賃補助の助成を行っています。
地方でも独自の補助や助成を行っているところがあります。
保育士が働きやすい自治体に引っ越して働ければよいですが、
そうも行かない場合は、近隣の自治体や県に通勤すれば
より良い条件で給料も多くもらえる見込みがあるので、
検討してみる価値はあると思いますよ。
社会にとって、とても大切な保育士の仕事。
資格を持っていても保育士として働いていない
「潜在保育士」さんもたくさんいます。
これから少しずつ保育士の待遇も改善されていくと思うので、
ここに紹介した収入アップを目指す3つの秘訣を参考に、
復職を考えてみてはいかがでしょうか?