今では一生賃貸でも構わないという人も増えていますが、
家族を持ち、一定の年齢になるとマイホームが欲しい、
と考える人も多いことでしょう。
マイホームの購入に関わる費用は、
土地と建物の支払いだけではありません。
持ち家には一戸建て、マンションを問わず
維持費がかかります。
簡単なシミュレーションで
月々のローンが毎月の家賃より安くなるから、
という理由で住宅を購入するのは危険な話です。
持ち家の維持費を賢く計算して、
支払いの予定に組み込むことが大切です。
持ち家の維持費は年間でどのくらいかかるの?
持ち家の維持費は高額になりますので、
維持費を考えずに住宅を購入すると支払いができずに
結局住宅を手放さなければならないという事態も生じます。
こうした自体を避けるためにも
持ち家の維持費は年間でどのくらいかかるのか、
ということを計算しておくことは大切です。
ここで、40歳で持家(借入3000万円、固定金利3%、元利均等返済30年)
の条件で、購入後30年間にかかる維持費を考えてみましょう。
マンションの場合、
年間80万円程度(月に6.7万円)、
一戸建ての場合
年間58万円程度(月に4.8万円)
程度かかります。
これは住宅ローンとは別に払い続けていかなければならない金額ですので
無視することはできない大きな金額ですよね。
マンションは管理費や修繕積立金、
駐車場代で月に3.5万円程度必要になるため、
維持費が一戸建てよりも高くなります。
管理費や修繕積立金、駐車場代は軽視されがちですが、
毎月かかる金額ですのでかなり大きいと言えます。
持ち家の維持費は生涯でどのくらいかかるの?
では持ち家の維持費は生涯でどのくらいかかるかというと、
マンションの場合、年間80万円程度、
一戸建ての場合年間58万円程度なので
それに30年をかけると、
マンションの場合、2400万円程度、
一戸建ての場合年間1740万円程度かかることになります。
マイホームを購入して30年間で返済するプランで必要な額は、
住宅ローン返済総額は約4,550万円になり、
それにプラスして1740万~2400万円の維持費がかかる
ことになります。
これに加え、子どもがいる人は子供の教育費についても
考えていかねばなりません。
持ち家の維持費で必ずかかる7項目を押さえよう
① 固定資産税、都市計画税(年間8万~25万円)
② 点検、メンテナンス、修繕費用(300~600万円程度)
③ 火災保険、地震保険(年間1万円~3万円)
④ 外壁塗装、屋根瓦取替(一戸建て)500万円
⑤ 修繕積立費、管理費・駐車場代(マンション)3.5万円/年
入居時一時払いの修繕積立金一時金を50万円とすると
30年で1310万円になります。
① の固定資産税ですが、土地、建物の面積や築年数、立地などを
客観的に評価して算出される「家の評価額」にかかる税金です。
計算式は「家の評価額×1.4%」になり、
評価額は3年ごとに見直されるため、
固定資産税の金額も変動します。
大まかには年間で8万~25万円程度になります。
新築住宅購入の場合は、固定資産税の軽減措置を受けられる場合が
多いのでしっかり手続きをしましょう。
「都市計画税」は「都市計画区域」「市街化区域」に
指定されるエリアにかかり、
「家の評価額×最大0.3%」の税金がかかります。
自分の家が「都市計画税」の対象になるかどうかは
すぐに分かります。
つまり固定資産税と合わせて「家の評価額×最大1.7%」の
税金がかかることになります。
② 定期点検費用は木造だと10年、鉄骨系だと20~30年の
無料点検と構造部分の保証が付いてきますが、
メーカーの保証期間は1~2年です。
メンテナンス、修繕費用は10年間で100万~200万円を
予定しておいたほうが良いでしょう。
一戸建てもマンションもキッチン、バスルーム、給湯器などの
水回りの修繕費用がかかります。
③ 火災保険、地震保険は備えあって憂い無しですので、
必ず入っておく必要があります。
一戸建て、マンションともに住宅ローンがある場合
火災保険は加入する義務があります。
火災保険には「建物のみ」を補償するタイプと、
「建物と家財」の両方を補償するタイプがあります。
家財の金額も大きくなりますので「建物と家財」のほうを
選ぶことをお勧めします。
④ ⑤はマンションか、一戸建てによって異なります。
一戸建ての場合は、外壁塗装、屋根瓦の取り替え、防水、
雨樋の修繕、シロアリ対策、外構、庭の維持費もかかります。
マンションの場合は、修繕積立費といってマンション共有部分の
修繕費用も積み立てていく必要があります。
管理費や駐車場台もかかりますので、
維持費は一戸建てよりもかかってしまいます。
まとめ
このように持ち家には土地や建物の費用以外に
さまざまな維持費がかかることが分かります。
もちろん、固定資産税の軽減措置、
リフォーム費用に対する補助金制度、
ハウスメーカーの独自の保証などによって、
維持費を節約することもできるので、
しっかりと見逃さないようにしましょう。
しっかりシミュレーションして、住宅ローンとともに
あくまでも多めに毎月の費用に組み込んでおく必要が
あります。
そのようにすれば不慮の事態を避けることができ、
せっかくのマイホームを失うことがないようにすることができます。