ペットを飼っている人にとってペットは家族同然、
かけがえのない存在ですよね。
そんな家族が病気になってしまったら当然とても心配ですよね。
人と違って言葉での意思疎通ができないので
早期発見が難しい場合もあります。
ここでは「肥満細胞腫」という病気に焦点を当て
症状や治療方法など具体的にまとめました。
肥満細胞腫って?犬や猫ちゃんの場合の治療法とは
肥満細胞腫とは簡単に言うと「細胞がん」です。
病名から肥満が原因だと考えられがちですが、全然違います。
今のところ発症の詳しい原因は分かっていません。
ただ、肥満細胞という物質が身体の中で悪性化することで発症します。
症状としては、身体のあらゆる場所で炎症を引き起こし、
最悪の場合、命を落とす危険性がある病気です。
肥満細胞腫は犬や猫に限らず、人もなる病気です。
ただ犬や猫の場合、発症しやすい腫瘍では常に上位の病気です。
全体の15~20%くらいの確率で発症します。
猫に限っては2番目に多い病気です。
猫の場合だと、
免疫の低下などから圧倒的に高齢猫がなりやすい病気です。
またシャム猫の発症率が高いことから
遺伝的な要因もある病気だと言われています。
具体的な原因が分からないので予防が難しいことが
この病気の厄介なところです。
治療法としては、
がんなのでまずは切除することが最優先です。
ただ目視による良性腫瘍か悪性腫瘍か判断が難しいので、
まずは一部細胞を採取して、
診断してから切除手術を行うのが一般的です。
手術後の治療法は大きく分けて3つあります。
【肥満細胞腫の治療法】
①ステロイド剤
飲み薬と塗り薬で腫瘍を縮小化していく治療。
②抗がん剤
手術が出来ない、手術で切除しきれない、
あるいは何度も再発するときに行われる治療。
ただ強い副作用があるのが難点。
③放射線治療
手術ができない場合、切除しきれない場合に
放射線治療が行われる。
猫に対する放射線治療を行う病院が少ないのが難点。
治療法を見ると、人のがん治療とほぼ同じですね。
肥満細胞腫の末期症状はどのような状態になるの?
肥満細胞腫はどのような症状があるのでしょうか。
皮膚に症状が出る皮膚型と、
内臓に症状が出る内蔵型の2種類があります。
それぞれ分けてまとめました。
【皮膚型の症状や特徴】
猫の場合は皮膚型の発症が特に高いです。
主に頭や耳周辺、足など脱毛して小さなしこりができます。
かゆみや痛みはあまりないようで
初期症状がほとんどないのが特徴です。
【内蔵型の症状や特徴】
内臓に腫瘍ができるので皮膚型と違い発見が遅れがちです。
小腸、すい臓、肝臓などあらゆる部位に腫瘍ができます。
症状としては、元気がなくなり、
食欲不振に伴う激ヤセや胃腸障害などが起こります。
皮膚型も内臓型も進行が進み末期になると、
嘔吐や低血圧、不整脈が起こります。
また呼吸困難も引き起こし、
体力が低下しているので
そのまま死んでしまう場合もあります。
内蔵型の末期の余命は2か月から1年程度です。
肥満細胞腫のチェックと良性腫瘍の見分け方
なかなか早期発見が難しい肥満細胞腫ですが、
大切なことは日ごろからペットの様子を観察し、
いつもと違うところがないか気づけるようにしておくことです。
日常的に遊びの中でボディチェックなどすると良いでしょう。
ただ身体にしこりが出来たからといって
すぐに悪性を疑うのは早いです。
肥満細胞腫の9割は良性で、
がん化するのはごく一部のためです。
そこで皮膚型の良性腫瘍の見分け方を4つ紹介します。
①白色のしこり
②大きさ数ミリから2cm以内
③皮膚の中ではなく、明らかに外にあるしこり
④発症しやすい場所以外のしこり
腫瘍に4つの特徴がある場合、緊急性は低いと考えられます。
ただ必ず悪性ではないとは言い切れませんので、
どこかのタイミングでは専門科の診断は必要ですね。