熱中症にかかる人は毎年増え続けています。
その中で、熱中症で亡くなる人の8割を
65歳以上の高齢者が占めています。
ですから高齢者が熱中症にかかりやすいので注意が必要だ、
ということがわかります。
このブログでは特に高齢者と一緒に住んでいたり、
介護をしていたりする方向けに、
高齢者の熱中症に対する注意点と予防法をご紹介します。
室内でかかってしまう熱中症の症状と原因とは?
高齢者が熱中症にかかりやすいのはなぜでしょうか?
それは体に占める水分の割合と関係しています。
体に占める水分の割合は、一般の成人では60%くらいですが、
高齢者では水分をたくわえている筋肉の量が落ちるため、
50~55%と少なくなります。
さらに高齢者は暑さや喉の渇きに関する
体の調整機能が低下しているため、
気づかないままに脱水症状になっていることが
あるのです。
自覚症状がなく脱水に陥る減少を「かくれ脱水」といいます。
室内でエアコンや扇風機を付けずに我慢していたり、
厚手の服装だったり、通気性の悪い服を着ていると、
体に熱がたまって熱中症になってしまいます。
熱中症になりかけの症状を正しく発見するには?
熱中症は初期の発見と対応が肝心です。
前触れとなる初期症状には気づきにくく、特に高齢者の場合は、
さらに自分では気づかないこともありますので注意が必要です。
「かくれ脱水」は熱中症を進行させる引き金ともなります。
立ちくらみやめまい、頭痛、吐き気、全身のだるさを感じたら、
熱中症の初期症状ですので、そのような症状がないかを
高齢者本人によく確認し、観察するようにしましょう。
「いつもと違う、おかしい」という体調の変化に敏感に気づく、
ということが必要になります。
高齢者の熱中症の予防方法
高齢者が熱中症になりやすい理由として、
前にも述べた、体内の水分不足、暑さを感じにくい、
暑さに対する体の調整機能の低下があります。
さらに高齢者は「昔はクーラーなんて使ってなかった」
「夏は暑いものだ」「多少の暑さは我慢すればいい」
といった頑固さや無理をする傾向があります。
高齢者の熱中症は、日中の炎天下だけではなく、
室内でも、また夜の時間帯でも発生します。
高齢者の熱中症の予防方法はどんなことをすればよいでしょうか?
4つの方法をご紹介します。
① 水分、塩分を計画的にこまめに摂る
高齢者は自覚症状のないままに脱水症になりやすいため、
普段から水分、塩分を計画的に摂る必要があります。
なぜ「こまめに」摂る必要があるかと言うと、
高齢者は持病がある方が多いので
心臓や腎臓に持病を持つ人の場合、
水を飲みすぎると代謝できなかったり、
むくみが出ることがあるためです。
またスポーツドリンクは塩分よりもむしろ糖分が多いので、
要注意です。
塩分は味噌汁や昆布茶などでこまめに摂りましょう。
② 涼しい環境を整える
高齢者はエアコンを使いたがらない人もいますが
熱中症防止ということをよく説明して室温を管理しましょう。
屋外に出るときも暑さ指数を参考にして、
風通しの良い服や、さまざまな冷却グッズも活用しましょう。
③ 暑い時間帯の外出を控える
日差しの強い時間帯は外出や庭仕事を避けて、
午前中や夕方の時間にしましょう。
直射日光を避けて日陰を歩き日傘を使うようにしましょう。
④ 体調管理を心がける
体調が悪くなると、体温調整機能がうまく働くなって
熱中症になりやすくなるので、十分な睡眠と栄養をとって
体調を崩さないように心がけましょう。
まとめ
高齢者は熱中症にかかりやすいので、
本人が注意するだけではなく
周りのサポートも大切になってきます。
ここでご紹介した高齢者の熱中症の4つの予防方法を実践して、
夏の暑さをうまく乗り切っていけるようにしたいですね!